公演情報

宝生五雲能 2021年5月公演

宝生五雲能
「盛久」は霊験あらたかな観音の慈悲で処刑を免れる物語だが、作者の観世十郎元雅(世阿弥の長男)による、現代的な心理劇としての鑑賞にも耐えうる作品。「吉野静」は頼朝と不仲になった義経が吉野山を落ちのびる際の佐藤忠信と静御前の活躍、特に吉野山の衆徒たちを恍惚とさせた静の舞をたっぷりと観せる。「鵜飼」は殺生の罪を扱った作品だが、前場に鵜使いの罪深い姿を集約し、後場では地獄の鬼の姿で仏教礼賛と成仏を描く。

日時

2021年5月15日 (土)
13:00~

会場

宝生能楽堂
〒113-0033 東京都文京区本郷1-5-9
・JR水道橋駅東口徒歩3分
・地下鉄都営三田線水道橋駅A1 出口徒歩1分

番組

13:00- 盛久(もりひさ) シテ 野月 聡
ワキ 野口 能弘
間  野村拳之介
笛  藤田 貴寛
小鼓 鳥山 直也
大鼓 柿原 弘和
「都の春はこれが最後、二度と帰らぬ東への旅路。清水寺—鎌倉—由比ヶ浜処刑場—頼朝の御所と場面が変化していきます。信仰の深さに支えられた覚悟と強さ、目の前に奇蹟が」

14:10- 狂言 「隠狸 かくしたぬき」野村万之丞

── 休憩十五分 ──

14:55- 吉野静(よしのしずか) シテ 藪 克徳
ワキ 野口 琢弘
間  野村 万蔵
〃  石井 康太
笛  寺井 義明
小鼓 野中 正和
大鼓 大倉慶乃助
「しずやしず しづのおだまき 繰り返し 昔を今に なすよしもがな 中々叶わない事とは分かりながらも、あの時に戻りたい!という願いは昔から誰もが持っているのでしょう」

── 休憩十五分 ──

16:10- 鵜飼(うかい) シテ 髙橋 亘
ワキ 御厨 誠吾
間  能村 晶人
笛  熊本俊太郎
小鼓 清水 和音
大鼓 柿原 孝則
太鼓 金春惣右衛門
「街で見かけるお地蔵様は実は閻魔様だそうです。時に民に寄り添い、時に悪人に審判を下す怖いだけではない閻魔大王を演じたいと思います。私としては平成五年、非公開の勉強会(宗家は宝生英雄師) 以来の再演です」